悲しいのは記憶が残らないこと
悲しいのは記憶が残らないこと

悲しいのは記憶が残らないこと

101/1000「君と時計と嘘の塔」綾崎隼
102/1000「君と時計と塔の雨」綾崎隼
103/1000「君と時計と雨の雛」綾崎隼
104/1000「君と時計と雛の嘘」綾崎隼

微妙にタイトルが違うのだけど同じ物語の1~4です。

タイムトラベルというと筒井康隆の「時をかける少女」。これは1972年のNHKドラマ「タイムトラベラー」。(同時代で見られたのは幸せ。)ここでのトリガーはラベンダーの香り。主人公の芳山和子はケン・ソゴルに恋心を抱くのだけど未来に戻る時記憶を消されてしまう。

タイムトラベルで悲しいのは記憶が残らないこと。

主人公の杵城綜士は自分が一番でないといけないと思っているいけ好かないやつだった。12才の時、走り高跳びで幼馴染の織原芹愛が綜士の記録を上回ったため、嘘をついて泥棒の汚名を着せた。

綜士は負い目から高校生になっても常に芹愛のことを常に気にかけていた。駅で芹愛が死んだと聞いた時、綜士はタイムリープする。タイムリープのトリガーは大事な人が死ぬこと。芹愛が死ぬ前に戻った綜士なのだけど、その時間軸には母親がいなくなっていた。タイムリープすると大事な人が一人いなくなるのだ。

2冊目の終わりあたりから涙が止まらなくなる。

なんども繰り返される言葉が心を締め付けてくる。「好きな人を、ただ、ありのままに好きでいる。たったそれだけのことが、どうしてこんなにも難しんんだろう。」

胸がつまります。

 

hontoで。各巻713円、713円、745円、810円。kindleも同じ。