乾ルカの「メグル」を読む。
乾ルカの「メグル」を読む。

乾ルカの「メグル」を読む。

乾ルカの「メグル」を読みました。

 

学生部厚生課奨学係の悠木さん。この女性が学生にアルバイトを紹介します。望む望まぬにかかわらず、彼女の紹介するアルバイトには行ったほうがいいみたいです。アルバイト後の人生がまるで変わってしまいますから。

この「メグル」という本は「メグル」という物語を含む連作短編集です。全部で5つの物語が収められています。この作家さんの本は初めて読みました。読みやすいのは書き手としてかなりの力のある方だからだと思います。

大学の学生部といえば私も何度もアルバイトの募集のために行ったことがありありす。電話で求人を済ますことはないですね。必ず出かけて大学の雰囲気なり様子を感じてから求人に望みます。企業側としては、ある程度のことをあてにして募集をかけるわけです。

ここで描かれる物語もアルバイト先の雇い主はこの大学の学生さんに何かを期待して求人をだすわけです。その理由を知っているのは悠木さんだけです。で、求められている人を(または逆に必要としている学生)アルバイトに振り分けるのです。どの話も学生個人とアルバイト内容に因果関係があって、その因果で物語は帰着します。

読み進めていくと、いかにもありそうなシチュエーションで、先の展開にどうなることかとドキドキします。ホラーぽいのからちょっと奇妙なものまであって一気に読めますね。久しぶりに本らしい本を読みました。

では。