106/1000「先輩と私」森奈津子
味もそっけもないタイトルです。「先輩」にも「私」にも全く想像力がわきません。しかしながら、これは官能小説です。
小説は想像力で読みます。私小説もSFもサスペンスも、勿論官能小説も。ああでもない、こうでもない。そう来たか、こういけ。
官能小説だと実体験と比べることもあるかもしれないけれど現実と混同すると大変なことになります。官能小説を読んで楽しいと感じるためには、想像力をどれだけ刺激してくれるかに尽きます。
主人公の光枝は大学の非公認のサークル「好色文学研究会」で官能小説を連載している。彼女は小説を書きながら自慰行為を行うことが日課になっている。
先輩の阿真里は光枝の書き手としての才能に惚れ込んでいる。阿真里は「女性が自慰行為によてのみ真の自立を手にできるという考えを持つ頭でっかちで純粋な女性である。
ライバルは「エロティック文学研究会」の華代。彼女は「レズビアン・セックスによる女性の解放を」目指している。
これに加えサドの後輩瑠璃が絡んできて、オナニーとレズビアンと鬼畜系の教育と乱れまくります。グロい表現がないのはいいのだけど多少の免疫はいるかも。