world where it disappears

下関私生活

*

超リアルな、出会い系サイトの仕事の話。

   

108/1000「出会い系サイトの裏事情 ~僕がサクラで女になる日」藤真C佳

 

この本は小説です。

著者は実際にサクラのバイトをしていたらしいので、臨場感が半端ではないですが、これは裏事情を暴露した本ではありません。

僕はとあるデータ入力のアルバイトに応募します。ところがその仕事は出会い系サイトで男の客のメールに返信する仕事、つまりはサクラの仕事でした。コンビニのハードな仕事でも最低賃金しかもらえないような時代に、時給1000円を越えているのは確かにおいしい仕事ではあります。

ただし、心が病まなければ。

僕はジャングルのような毛の生えた教育係の「ムック」と女性アルバイトの深山の教えによって1人前のサクラになっていきます。その過程で色んなメールのやり取りが描かれます。これが結構面白い。

サクラの仕事は男の会員からできるだけ多くのメールを送らせるかということ。会員が会員あてにメールを出すと課金が発生しそれが会社の収入になります。

出会い系の男の頭の中は女性とセックスすることしかありません。メールの内容は推して知るべし。想像するだけでも恐ろしい。私は読みたくない。

そうだろうなと思ったのは、メールシステムにはメモ欄があって、そこには「聞き出したこと」「こちらが言ったこと」「男性会員のデータ」「キャラクターデータ」などがきちんと書き込まれているということ。

相手に返信をする場合はそれらのメモを全部読んでからメールを送らないとサクラとバレてしまいます。何かに似てるなと思ったら、以前クレジット会社でやっていた督促の仕事がそうでした。交渉内容はすべて督促カードに書き込んでいました。何日の何時何分に電話したとか、電話に出た、出なかった。電話でどんな話をしたとか、いつ振り込むと言ったとか、他にも借金があるとか。

今の仕事でも修正などの履歴はすべて残していますね。ビジネスなら普遍的なスキルです。

精神的には重いストレスが溜まりそうな仕事だけど、物語の最後で深山と僕が付き合うようになる予感で終わっているのが救いですね。

kindleで199円。unlimitedでも。

 - ぼくの読書法

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