山口十境詩の一つ。天花(てんげ)
盤浸甃玉按東流
鞭石尋仙興未休
借得紫虹飛欲去
扶桑何處是三洲
盤浸甃玉(ばんしんしゅうぎょく)、東流(とうりゅう)を接(ま)じふ
石を鞭(むち)うち、仙(せん)を尋(たず)ねて興未(きょういま)だ休(や)まず
借(か)りに紫虹(しこう)を得(え)なば、飛(と)んで去(さ)らんと欲(ほっ)す
扶桑(ふそう)、何(いず)れの処(ところ)か、是(これ)、三洲(さんしゅう)
虹橋、水に跨がる
水中に在る岩や美しく平らな岩が
東流する一の坂川に交わり出迎える
私は始皇帝よろしく海を渡り東方にある不老長寿の
神仙の世界を探し求めて興味が尽きない
仮に木造りの虹橋ならぬ大空にかかる虹の橋を
渡れるならば空を浮遊して人間界から去ってしまいたい
仙界の扶桑はどのあたりか、三州はいづこにありや
(虹橋はもと一の坂川上流の天花にあったがダム下に水没した。)
詩の意訳と解読は郷土史家荒巻大拙氏による
(現地の説明版による)
正面に見えているのは木町(きまち)橋。左へいくと瑠璃光寺五重塔が見えてきます。ダムというのは昭和59年に完成した一の坂ダムのことでしょう。
趙秩が読んだ風景はここからかなり上流の山の中だったのではないでしょうか。このあたりはまだ天花(てんげ)ではなくて木町、上竪小路です。
石碑の裏側。
山口十境詩 パソコン教室で学びながらこつこつと作られたサイト。思いの伝わってくるとてもいいサイトです。
では。