先ほどの入り口から道路の下を通って道の反対側、川の方へでました。
階段をあがって道路沿いに歩くと岩を繰り抜いた洞門があります。歩道がきれいに整備されていて歩いても安心です。
菊池寛の「恩讐の彼方」では罪の贖罪のためにこの洞門を掘り始めた「了海」が、敵討ちに来た「実之助」とともに洞門を開通させるわけですが、物語では完成まで21年かかっています。
次の洞門があります。
下に降りれるようになっています。
心の底から湧き出ずる歓喜に泣く凋(しな)びた老僧を見ていると、彼を敵として殺すことなどは、思い及ばぬことであった。敵を討つなどという心よりも、このかよわい人間の双の腕(かいな)によって成し遂げられた偉業に対する驚異と感激の心とで、胸がいっぱいであった。彼はいざり寄りながら、再び老僧の手をとった。二人はそこにすべてを忘れて、感激の涙にむせび合うたのであった。
(菊池寛「恩讐の彼方に」青空文庫)
地下からは岩が繰り抜かれていて外が見えるようになっています。
洞門をほっているところの石像がありました。
これが明かり窓らしい。
さて、また道路に出て最後の洞門をでたところに石碑がありました。
ここで記念撮影をしました。
続きます。
(撮影日2010.03.16)