エリック・サティを知ったのは阿木譲の「ロック・マガジン」誌上。クラシックに疎いので名前さえ聞いたことがなかった。いつだったかサティがブームになった時があって、その時思い出してCDを買った。『ジムノペディ』『グノシエンヌ』あたりは誰でもが聞いたことがありそう気がするのだけれど、エリック・サティの名前を知っているかというと、それはわからない。
サティの音楽はゆらゆらと揺らぐような音の響きと、それでいて、シンプルなピアノの音色が魅力なのだけど、「ヴェクサシオン」に限ればそんなに特徴のある曲ではない。そうと知らなければ単なるイージーリスニングと間違えるかもしれません。
先日、時間待ちで入ったブックオフで105円で買ったのが
新井満の「ヴェクサシオン」
という本。
新井満というと、シンガーソングライターとしてしか知らなかったのだけど小説をも書くんですね。で、この本には「苺」と「ヴェクサシオン」という2本の短編が入ってます。。
どちらも短い小説なので1時間半ほどで読み終えました。物語としてはどちらも中途半端な感じがするのだけど、教訓としては、人生はなかなか思うようには行かない、ってことかな。
さて、この「ヴェクサシオン」という短編にエリック・サティの音楽と映画が出てくる。出てくる映画は「ソイレント・グリーン」です。ソイレントグリーンは私の好きな映画で私はこれを学生時代難波の映画館で見ました。誰もが感銘するシーンは、本の中でも語られていたように、ベートーベンの「田園」が流れる中、花の映像がスクリーンいっぱいに映し出されるところ。DVDを持っているのでいつでも見られるのだけれど、このシーンは思い出の中にあったほうが感銘が深い気がする。
では。