45歳の女流版画家が主人公の恋愛小説。男性作家の描いた女性視点の小説。違和感を感じつつ読了。お相手の男性の職業が映像作家なので人物描写の性格付けとして映画が出てくる。「シェルブールの雨傘」「シカゴ」「ダンサーインザダーク」など。
そしてなんと、「ブラザー・サン・シスター・ムーン」です。
ビョークの「ダンサーインザダーク」は気になる映画ではあるけれど、好きな映画じゃないんだよね。それより「ブラザー・サン・シスター・ムーン」が出てきたのには驚きました。石田衣良はこんな映画も見てるんだね。これは私の好きな映画です。DVDを持ってます。サウンドトラックもいいよね。
小道具としては音楽も。
「ブラック・マジック・ウーマン」は普通でつまんないけど、モンポウはいい。サティほど頭でっかちな感じはなくて、スペインの明るさとおおらかさを感じる音楽。この物語に少し明るさを与えてくれてる。
この小説の教訓は何かな?
恋愛に年齢は関係ないってことだと当たり前すぎるし、女主人公が新しい境地を開いたということでは、刹那的に思えても、今を一生懸命生きることが生きているあかし、ってことかな。
石田衣良は「池袋ウェストゲートパーク」だけじゃないってことにいまさら気づいた次第です。
では。