下関では朝から雨の予報が、夕方からの土砂降りになりました。遠くからの船の汽笛が、こういう時に限って、ものすごく近く聞こえます。Huleで松田優作の「野獣死すべし」を。原作は大藪春彦。wikiを見ると1980年の映画らしい。
土砂降り。刑事を殺す最初のシーン。銀行強盗の仲間となった真田が恋人を射殺した後のシーン。
雨が心の葛藤の、沸騰して泡立つ心を表しているような感じがする。主人公は、通信社勤務の時代に悲惨な写真を撮り続けたことで心に傷を負っている。通信社を退職して今では翻訳をしながら趣味のクラシック音楽に没頭しながら静かな生活を送ってます。彼のこのクラシックへののめり込み用は尋常ではありません。鬼気迫るといった感じです。
この静かな生活は表面上だけで、心は暴力と血に飢えています。まず、刑事を雨の中で殺して銃を奪い、カジノから金を強奪。次に仲間を見つけて銀行強盗をしでかします。銀行強盗から逃走中、以前からしつこくつきまとっていた刑事を始末。その後は幻覚なのか現実なのかよくわかりません。
私にとっての見どころは、このクラシック音楽を通じて知り合った会社の女性秘書を射殺するところ。この場の見せ方は多少葛藤をしながら思い切って殺したという感じかな。閉じた心で非情に殺したという感じではなかったです。というのは、この場面だけはスローモーションで見せてますから。
この殺された秘書を演じているのは小林麻美。女優としては芋だと思うけどドキドキです。テレビドラマの「光る海」に出てた時はキュートな感じの役でしたね。DVDになってないので見ることはできませんけどね。小林麻美のレコード「初恋のメロディー」買いましたよ。1984年の「雨音はショパンの調べ」は大ヒットしました。それ以外には見どころはあまりありませんね。松田優作と小林麻美と鹿賀丈史(銀行強盗の相棒役)のファンは見ても損はしませんが、ファンでなければ見ないでもいいかもしれません。
では。