「デューン 砂の惑星」を読み返しています。
「デューン 砂の惑星」を読み返しています。

「デューン 砂の惑星」を読み返しています。

今日のBGMは “Lone”。 こういうの大好物。浸れます。

フランク・ハーバートの「デューン砂の惑星」はアメリカのSFに与えられる文学賞、ヒューゴー賞とネビュラ賞を1965年に受賞しています。

1972年に最初の翻訳が早川SF文庫から出ていて、写真はそのとき買ったものです。第1巻、2巻は250円。3巻、4巻は少し厚くて330円です。もちろん消費税はありません。わたしは10回以上転居していますがずっとわたしについてきています。古いのでさすがに紙が黄色く変色してます。多少読みづらくなっていますがまだ十分読めます。

砂の惑星が今年再映画化されて注目されたのか、新訳が出ています。新訳は上・中・下巻の3分冊です。(3冊で3247円)今読み返しているのは旧訳の方です。

シルヴァーバーグの「夜の翼」、グイン「闇の左手」、バラード「結晶世界」、ムアコック「火星の戦士シリーズ」、ヴォネガット「屠殺場5号」、ハインライン「愛に時間を」などと同様、ずっと読み続けています。

巻末に用語集がついています。最初は、たとえば人の属性を表す言葉、ベネ・ゲセリットとかメンターとかフレーメンとか、砂の惑星の独特の単語によって、はるか遠くの未知の世界へとロマンをかきたてるのですが、何度も読みかえすうちにそういった感慨はわかなくなりました。巻末の用語集も参照することはほとんどありませんが、新訳と旧訳では用語の表記が変わっているところもあるようです。

映画を見に行こうと思っていたのですがもう終了してしまいました。11月も1日1回しか上映されていなくて、時間が合わなくて見ることができませんでした。来年3月にはブルーレイとDVDが発売されます。ダウンロード販売が12月22日からということなので、早ければ12月22日にダウンロードで買って見ようと思います。

映画の予告では壮大なる宇宙戦争と言っていますが、スターウォーズのような宇宙空間での戦いではありません。物語はメランジという意識を拡張させるスパイスを産出する惑星、「アラキス」の所有権をめぐるアトレイデ家とハルコンネン家との戦いの物語です。

皇帝の陰謀でアラキス統治を任じられたアトレイデ家は、それまでアラキスを統治していたハルコンネン家がアラキスの利権を手放すことに抵抗して、アトレイデ家を罠にはめて、膨大な戦力でもってアラキスに攻め込みます。

あっというまに戦いに敗れ、当主レトは殺され跡継ぎのポールは母親とともに砂漠に逃れます。砂漠には宇宙船より巨大な砂虫がいます。映画の一番の見どころは、この砂虫が地中から姿を現してメランジの採掘施設やソプターを飲み込んでしまうところだと思います。

この物語は現実の戦いも描いてますが、それ以上に人間の精神世界を描いているので、物語全体はとても「地味」です。ポールの精神的な成長が軸となっているので映像として表現するのは難しいと思います。

ポールは男のベネ・ゲセリット、クイサッツ・ハデラッハとして覚醒し、ムアドディブとなりフレーメンの指導者となります。 ムアドディブ はアラキスをアトレイデ家に取り戻し、そして未来へと物語は進みます。

物語としては「砂漠の救世主」「砂丘の子供たち」「砂漠の神皇帝」「公家アトレイデ」「公家ハルコンネン」「公家コリノ」と続くのですが、映画の続編はもうないでしょうねえ。

では。