47/1000 「罪 万華鏡」佐々木丸美
これは4つの連作からなる短編集。犯罪者の精神分析カルテ。
「言葉は本心の枝葉だ。本心が痛めば葉は色あせる。私たちはだから言葉を観察する。外科医が傷口を看るように、内科医が熱と脈を看るようにね」
精神分析医吹原恭介のもとに送られてくる犯罪者の心の動きを被害者との関係で解き明かしていきます。
手がかりは言葉。精神分析医なので、現場の調査はしなくて本人、家族や関係者に面接してそこから心の中を探していきます。
なので臨場感には欠けるのだけど、人の悪意と言うものが想像以上にひどいものであることに驚嘆します。
ここでの教訓は友達だからといって悪意がないとは限らないということかな。それと自分が自分であることに迷わないこと。
佐々木丸美作品復刊運動&ファンサイト「M’s neige」 この本を読むまで作者のことは知らなかたのだけど、作者は2005年12月25日に亡くなられているそうです。熱心なファンが著作全18冊の復刊に取り組まれたようです。今、電子書籍で読めるのもその方々のおかげかもしれません。
kindle unlimited 買えば432円。