48/1000 「テルミー1 きみがやろうとしている事は」滝川廉治
49/1000 「テルミー2 きみをおもうきもち」滝川廉治
事故で突然死ぬ。準備もなく突然に。その時何を心残りに思うのだろう。
その日、修学旅行のバスに乗っていた月之浦高校二年三組の学生、二十四人が死んだ。 二年三組の生徒で、生き残ったのはたった二人。 不運な偶然によってバスに乗れなかった一人の男子生徒、灰吹清隆と、バスに乗っていながら奇跡的にも生き残った一人の女子生徒、鬼塚輝美。 事故のせいで少年は『生き残ってしまった』という不毛な罪悪感を抱き、少女は『二十四人の最期の夢』を背負う事になる。 物語は、この生き残った二人の少年少女を中心にして進んでいく。 そして必ずハッピーエンドになる
テルミーといえばローリング・ストーンズの曲をを思い出す。ストーンズの場合の歌詞は 「戻ってくると言ってくれ」という未練たっぷりの歌詞。
この本のテルミーは24の心残りを身に受けた主人公の輝美とかけてある。そして同時に tell me why? 心残りを教えて、ってことなんだろう。
24人の心残りは24の物語。24つの命にはそれぞれ歴史があり、それぞれ背負っているものがあり、そしてそれぞれにやり残したことがあります。これは24のやり残した思いを叶えていく物語。この2冊ではまだ24人の心残りはまだ全部叶えられてないので続きが書かれると思います。
24の人生、心残りを丁寧に同じ比重で語られているわけではなくて、「テルミー1」ではバンドをやっていた檜山蘭の、「テルミー2」では園芸部長だった川武夫のバラと亡くなった2人の映研部員の部長の山崎康雅の話が中心となっています。
これ、雑誌で24回の読み切り連載にすれば長いけど読み応えのある物語になったような気がします。そうすると24冊の本が必要になりますね。それくらい長くてもいいような気がしてくるいい物語です。
kindle で。「テルミー1」は486円、「テルミー2」は594円。バーゲンのときにでもぜひ。