69/1000「アンドゥ・ラヴ: あの日のわたしを離さないで 」桜井亜美
過去があるから今や未来がある。なのに、その過去が記憶とまったく違うものなら、アヤジにどんな想いをぶつければいいのかもう分からなかった。 あたしは・・・一体、誰?
前半のキラキラ感、これは現役の中学生が書いたかのような現実感があって、期待と希望が溢れているいる。後半は一転してモノクロの世界。大人になって、とは言っても若いのだけど、若さゆえの未来へ対する絶望感で溢れている。前半部分だけで物語を仕上げてもいいくらい。
タイトルの「アンドゥ」がキーワード。人生をリセットしたいと思う人は多いだろうけど、これは忘れたくない、キラキラした時代をアンドゥしたくなるのもわかるような気がする。
親の束縛を逃れようとして地味で目立たない優等生を演じていた主人公レン。同じようにクラスの仲間に溶け込めない男子アヤジと親しくなったのだけど、親しくなってすぐに転校していってしまう。アヤジに会いに行くためには10万という大金が必要。キラキラと輝く金回りのいい同級生モエミと友だちになって、どうにかしてお金を稼ごうとするのだけど、モエミの居場所は大人のレンにとっては未知の世界だった。というのが話の前半。
視点を変えて見ると物語の違う側面が見えてきます。金回りのいい大人がなぜ金回りがいいのか?。なぜ女子中学生に固執するのか?。
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