-おれはこういう穏やかな夕暮には、自分のまわりにある樹木に支援されて、もっといいかたちに行動するというか、ふるまうというか、そういうことができると思うことがあるよ。それをおれは、「樹木の魂」に援助されて、と考えるんだがな・・・・・・(「洪水はわが魂に及び」大江健三郎)
車では入れないので、近くに止めて森の中に入ります。夏の眩しい真っ青な空が一変、ぽつぽつと降り出した雨が木々の間から大粒になってふりそそぎます。車を降りて何分もたたないのに、頭から肩の辺りまでずぶ濡れになってしまいました。夕立ならすぐやむだろうと思っていたのにいっこうにやむ気配はありません。ちょっと甘く見てました。
車での乗り入禁止とかかれたところから歩いて1分。薄暗い山道の間から見えた魂の木、国の天然記念物、平川の大スギです。雨が降り注ぐ空を見上げても雨粒だけが目に入り、枝葉の間から天空を覗き見ることができません。カメラも濡れてしまい、雨粒がレンズについてうまくとれません。このスギの木の巨大さには驚かされます。説明板によると高さは35m、目通り周囲8.5m、根回り10.5m。樹齢は書いてありませんでしたが、3つに分かれた幹に縦に何十本もの亀裂が入っていてかなりの樹齢を感じさせます。
あたりにはマイナスイオンが充満していました。
では。