中山可穂「サイゴン・タンゴ・カフェ」
中山可穂「サイゴン・タンゴ・カフェ」

中山可穂「サイゴン・タンゴ・カフェ」

読んですぐにその本の感想を書けばいいんだけどね、書けなかった。体調が悪かったからとか、時間が取れなかったというのは私の単なる怠慢です。まあ、小さい頃から読書感想文は苦手だったからね。書けなかったというのが事実。

さて、今年もたいした数の本は読んでないんだけど、電子書籍を読むようになってそれまでと違って、格段に読む時間が増えたのは確か。有料、無料を含めて積ん読も増えたけど、それに連れて読んだ本も増えた。基本ながら族なのでイヤホンで音楽を聞きながら目では活字を読む。

「サイゴン・タンゴ・カフェ」 著者は中山可穂。

さて、これは2008年の作品らしいので5年も前の本です。今回はkindle で読みました。紙だったら買ってなかったと思います。この著者の本はこれがはじめて。女性同士の愛についてのお話なのでいわゆる女子だね。そうと知っていたら買わなかった。

作者も同性愛者らしいのですがそれは強く意識することはないです。これが普通の男女の愛を描いたものなら、つまらない話なんだけど。それが女性同士ということになると、表面的なところとは別のところに何かがあるような気がする。気のせいかな?。気のせいに違いないのだけど深読みしてしまうね。感情の流れが細やかで繊細。男の私にもなんとなくわかる。

これはとてもいい物語。

タンゴという音楽には退廃的な雰囲気がつきまとっていて、それが人を引きつけるんだよね。タンゴという音楽がそうなら、退廃にまみれた人生はもっと人を惹きつる。

まあ、他人ごとだけどさ。