人の心を定義できるのか?。ホームズ役は引きこもりの情報系女子。
人の心を定義できるのか?。ホームズ役は引きこもりの情報系女子。

人の心を定義できるのか?。ホームズ役は引きこもりの情報系女子。

32/1000「情報系女子またたびさんの事件ログ 」日野イズム
33/1000「情報系女子またたびさんの事件ログ 暴走ロボットアームとひきこもり 」日野イズム

 

「ヒトの心は、どうやって定義されるのだろう」 少女にとっては複雑怪奇で、あまりに合理性から逸脱しているようなそれは一体どうなっているのか。どのような仕組みになっているのか。それを機能的に再現することは果たして可能なのだろうか。「情報系女子またたびさんの事件ログ 暴走ロボットアームとひきこもり 」日野イズム

今回は2冊まとめて。事件は別々に起こるので上下という感じでは無いけれど、物語は繋がっていて2冊で収まるところに収まる感があるので一緒に感想を書きます。

推理小説というのはトリックや謎、舞台設定まで含めて、最初から最後まできちんと考えた上で書かないと破綻するような気がします。だから村上春樹には推理小説は書けないと思いますね。

 

推理小説のフォーマットはたとえばこんな感じかな。まずプロローグ。主人公が登場しその人物の人となりと背景の舞台が語られる。場所と物語が始まってすぐに第一の事件が起きる。探偵役が登場して謎解きに臨む。そうこうするうちに次の事件が起きる。探偵役は事件の鍵を見つけて事件を解決する。

最近は起承転結じゃない展開もあるだろうけど、読んでいて物語が面白いのも面白くないのも最初の探偵のキャラ設定と物語の場所だよね。

この物語だとホームズ役の探偵は大学の博士課程に在籍する「引きこもりの毛布を着ている中学生にしか見えない天才科学者」またたびさん。女性です。ホームズ役は頼まれると嫌とは言えない「とてもお人好し」の3回生の相川作久良くん。場所は滋賀県のR大学の画像処理系研究室。

主人公は相川くんでお人好しゆえに事件に巻き込まれて、それを相談役のまたたびさんがしの天才的な頭脳で解決して行きます。キャラが立っているとは言え嫌味にはなってないのは作者に描き方によるものだと思う。これがドラマ化されるとしたらかなりの変人に描くようになるね。

私は大学の研究室がどんなものか知らないので、半分は大学の学園青春物語として読みました。文系の頭では事件と関わる科学的な手順ややり方はよくわからなかったのだけど、流行りのAIのことが出てきたりしてとても今風な物語になってます。

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