27/1000「午前零時のサンドリヨン」 相沢 沙呼
「うん、でもね……。みんな、誰だって偽者の自分を演じて、誰かに見てもらって、それが本物なんだって思い込ませようとしてるんじゃないかな。きっとマジックといっしょだよ。見る人にとっては、本物の魔法になるんだ(Read more at location 4181)
「放課後スプリングトレイン」を読んだ後、kindleにおすすめされて読んだのがこれです。
サンドリヨンで何?、ていうと書いてありました。
そのお店は、『サンドリヨン』という名前で、あのシンデレラと原話を同じくするフランス童話のタイトルだってことは、多少文学を齧っている僕にはすぐにピンときた。二年くらい前、姉がなにを血迷ったのか英米文学の講義を取ったとき、そのレポート作成に付き合ったことがある。そのときに、グリムの『灰かぶり』とペローの『サンドリヨン』の両方を読んだ (Read more at location 402)
知りませんでしたね。フランス童話のタイトルですか?。調べたら岩波文庫のシャルル・ペローの童話集に「サンドリヨン または 小さなガラスの靴」というのがありましたね。
さて、この物語は、内気な主人公と孤独でマジックがプロ並みの女生徒、学校に出るという自殺した女性との幽霊を巡っての物語。
一見ライトな学園もののミステリーと見せかけて、結構本格的。人は死なないけど結構重いテーマです。ただ、魔法とか幽霊が出てくると現実感が失せて入り込めないところもあります。
いじめられている生徒とか、音楽の道に進もうと迷っている生徒とか、人物描写がいきいきとしているので読みすすめるのは楽です。
後味は悪くない。おすすめです。
kindle unlimited 買えば648円。