懐かしい人に会った。じゃあね、と別れた。
懐かしい人に会った。じゃあね、と別れた。

懐かしい人に会った。じゃあね、と別れた。

8/1000 「光る海」石坂洋次郎

雨が降りだした。風も強く吹いている。台風12号まだ奄美大島の南東沖で遠いのだけど、もう影響が出ているようです。

玄関の靴を下駄箱に入れ、ベランダの観葉植物8鉢を玄関に持っていきました。なので玄関は足の踏み場も無くなりました。マンションはこんな時不便ですね。というよりうちには観葉植物ありすぎかも。

天井にまで背が届いているドラセナ2鉢は、引っ越するたびに持ってきたもので、うちにきて30年近くなります。枯れずによく生きていてくれますね。部屋のインテリア、アクセントというより、あってあたり前のもの、空気みたいなものになっています。

実は今日は買い物の予定はなかったのだけど、台風に備えて買い物に行ってきました。買い物をしていた時に店内ですれ違った男性に声をかけられました。胸にはあるメーカーの名札がついていたのですが、顔を見ると以前会社で一緒に働いていた同僚でした。

同僚というだけで年も違うし仲がいいわけではなかったので、今では全く付き合いはありません。よからぬ噂だけは聞いていたんだけどね。

前の会社は給料の遅配が続いていてので徐々に人がいなくなっていって彼もその一人でした。これは仕方がないです。みんな生活があるからね。そういう人の今の元気な姿を見るのは、本当にうれしいです。元気だったんだね。よかった。

私の顔を見て思い出したのでしょうね。当時の思い出を色々と話しかけてきました。働いていた時に感じたこと、不満だったこと、当時の同僚達の今の消息など。今更ってかんじですけどね。懐かしい人の名前を久しぶりに聞きました。

これからもまた、どこかで会うかもしれないので、じゃあね、と言って、連絡先も聞かずに別れました。

 

さて、青春文学の金字塔、石坂洋次郎の「光る海」を、何度目か、もう10回は読んでいると思うのだけど、今回は電子書籍で読みました。奥付を見ると紙の本を買ったのは昭和46年です。私が紅顔の美少年だった頃。中学3年か高校1年の頃の事です。

物語は大学の卒業式の場面から始まります。当時の大学は裕福な家庭でないと行けない時代です。4年間の学生生活を女性ばかりの教室で過ごした7人の男性の体験談から物語は始まります。

社会人となった、作家の卵石田美枝子、会社勤めをしている葉山和子、テレビ局勤めの野坂孝雄の3人を中心に、その親や兄弟、そして愛やセックスについて、また生と死について語られていきます。

この本が書かれた頃としては画期的な内容だったんじゃないでしょうか。生と性の抑圧的で禁欲的な生き方を開放しようとした時代の物語です。

書かれた時代が時代なので古臭いところもあり、表現がくどいところもあり、受け入れがたいところもあるるけれど、普遍的な所が多くあって、物語としては今読んでも大変面白いと思います。単行本で634ページ。長いけれど長さは感じません。

honto 1080円。文庫本は絶版のようです。hontoでしか配信されていない本も多いのですが、いつの間にかkindleでも買えるようになっていました。